スペシャルサプライズ

霊柩車とマイクロバスの一行は火葬場へ向かうのだが、葬儀場から火葬場へ向かうのには方向を東向きに走らなければならないが、進路は西へと向かった。マイクロバスの中では、行きと帰りを違う道を走るためかしらだと思い込んでいたらしいが、実はスペシャルサプライズであったのだ。
父の好きだった名古屋城へ、父に最後に親戚一同で名古屋城へ連れて行ってもらおうと言う企画でしたのであった。このために昨日から葬儀屋に依頼して、お寺さん、運転手、火葬場とのスケジュール調整をしてもらったのであった。全て親戚には内緒で自分と葬儀屋とで進めたのであった。そのために告別式の開始も5分程早めて、お経も速めに読んでもらったのである。
名古屋城の北側を通り、西側のお掘端ではゆっくりと運転してもらい、生前毎週のように通っていた名古屋城へ最後の別れを告げた。続いて母が独身時代勤めていた護国神社の前を通り、本町通を走って行った。
マイクロバスの中の様子は自分には分からなかったが、最後の最後まで親戚達にも思い出になったのではないだろうか。