今日もダメ

朝、出勤してきたときに「不思議な力」の人とすれ違うが、向こうは目線を外し、社交辞令だけの挨拶を交わす。いまだに会話どころではない。ため息ばかり付きながら仕事をする。
夕食後も店を出たあとも悲しい気分で、家に戻る華やかな方向へは足が向かずに反対側の方向へ。反対の方向は遊廓の跡で怪しげな雰囲気だが、そういうところには目もくれず、そのまま突き進む。いくら寂しくてもそんな所でお金を落とすのは勿体ない。どうせ同じお金を使うのならば、自らの一時の快楽よりも好きな人へ貢いだ方が死に金にならない、生きた金の使い方だ。そのまま突き進み、地下鉄駅に出て家に帰る。