父、倒れる

夕方、自分が床屋へ出かけた後すぐに親戚から電話が掛かってきて、それを母が父へ取り次ごうと思い、電話を転送したところ、なかなか出ないので寝ているのかと思って部屋へ行ったところ倒れているのを発見。
すぐに近所の床屋から呼び戻され、家へ帰ったところ父が倒れているのを確認。意識は無いが呼吸はあり、おう吐しているようなので口に指を突っ込み全て出して気道の確保を行った。指で口を開けようとすると何度も指を噛み付いてくるので、まだ反射神経は生きていると言うのを身を持って体感した。
そして母に救急車を呼ばせる。この時点で大きなイビキをかいているし、症状から脳内出血の再発であろうと確信した。父は13年前にも一度脳内出血を行っているので2回目である。極めて死亡率が高い病気であるし、既に2回目であるのでこの時点で自分は覚悟を決めた。
待っている救急車と言う物は実に長いと痛感。現に近所の救急車が出払っていて、隣の区から来たようだ。すぐに救急車に運ばれ、家の鍵を閉めてから、救急車に同乗した。車内で問診を受けて状況判断し、父のかかりつけだった病院に搬送された。救急処置センターにて緊急検査を行った結果、かなり大きな脳内出血が確認された。
すぐにICUに搬送されて当直の脳外科医(部長)に病状を説明され、極めて厳しい状況だと宣告された。狭心症も患っているので、そのために血をサラサラにする薬を飲んでいるため、よけいに脳内の出血が止まらないと言うどうにもならない状況である。ここで放置して様子を見ても今晩持つかどうかも分からないし、手術をしても手術中に止血出来ずに死亡するかも知れないとのこと。当直の脳外科医は今日が休日で医師団を臨時召集しなければならないからか、あまり手術をやりたく無さそうな口調であるが、ここで放置しても死を待つだけなので、手術の依頼をした。
妹宅で待機していた妹にも至急来るようにと召集した。すぐに手配が掛けられ、医師団召集や物資調達し手術が行われた。午前1時過ぎ、手術が終わり脳外科医から手術の状況が説明される。心配された止血はとりあえず手術中、止めることが出来たとのこと。ただし今後の出血は油断ならない状況であるし、出血も120mlと大きかったのでかなりダメージである。状況が極めて厳しいのは変わらないが手術で出来る限りの手を施していただいた。